30代セミリタイア備忘録

30代でセミリタイアしました。セミリタイアの考察やゲーム関連の雑記を書いてます。

投資信託の乗り換え

 今回は投資信託の乗り換えについてです。

 さて、投資信託には保有しているだけで発生する信託報酬というものがあります。その投資信託の決算時に、設定された比率で信託報酬分が差っ引かれることになります。

 例えば決算時に1000万の評価額の投資信託を持っていて、信託報酬が年0.5%だと、5万円が差し引かれて決算後には995万になってしまいます。これが信託報酬年0.1%のものであれば、決算後は999万となり、差額4万円分だけ得することになります。

 基本的には信託報酬はただのコストでしかないので、できるだけ低く設定されている投資信託のほうが期待収益的には高くなります。

 

 したがって信託報酬の高い投資信託を売り、信託報酬の安い投資信託を買いなおすことは期待値的には正しい戦略となります。

 しかしながら、ここで問題となるのは保有している投資信託の含み益です。

 含み益がある投資信託を解約する場合、利益分には税金が発生するためです。

 

 以下のような例を考えて見ましょう。どちらも年利回りは5%とします。

投資信託A:信託報酬0.5% 元本は1000万、現在の評価額は2000万

投資信託B:信託報酬0.1%

 投資信託AからBへの乗り換えを考えているとします。

 この場合、投資信託Aを売却すると、利益が1000万になりますので、ここから税金として20.315%が差し引かれます。

 よって、投資信託Bに乗り換えた場合は2000 - 1000*0.20315 = 1796.85万円が元本となるわけです。

 この条件のもと、投資信託Aで持ち続けた場合とBに乗り換えた場合の評価額の推移を計算すると以下のようになります。

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 ご覧の通り、30年近く経たないと乗り換えると損をしてしまうことになります。

 30年以上の長期保有を念頭に置いているのであれば大丈夫ですが、比較的早期に取り崩しを視野に入れているのであれば乗り換えの判断は十分な検討が必要になると思います。

 

 今回の例はかなり極端なパターンで試算しましたが、乗換えをする際には以下の点に注意した方が良いでしょう。

・現在の含み益が大きい場合、乗り換えでは損をする可能性が高い

・利回りが大きいほど、乗り換えで損をする可能性が高い

・信託報酬の差が小さいほど、乗り換えで損をする可能性が高い

 

・現在の含み益が少ない、または含み損の場合、乗り換えで得をする可能性が高い

・利回りが小さいほど、乗り換えで得をする可能性が高い

・信託報酬の差が大きいほど、乗り換えで得をする可能性が高い

 

 昨日公開した資産の中で、信託報酬高めの方は先に取り崩すことを考えているので、乗り換えは今は不要と判断しています。

 まぁ乗り換えの諸々手続きが面倒なだけ、という話もありますが(笑)