年金はお得か?
今回は年金について。
年金を金融商品として見た場合、果たしてお得なのか。
年金の破綻や受給開始時期の延長とかのお話は抜きとして、現時点でにおける仕組みにおいて年金に対して投資をすることは利に適っているかを検討してみます。
とはいえ、サラリーマンの場合は基本的には給料天引きされているので、払わないという選択は難しいです。
問題となるのはセミリタイア後、収入が一定以下の場合には国民年金の免除措置をとれるのです。ただし、免除措置をとった場合には受け取れる年金額が下がってしまうという仕組みとなっています。
今回は以下の3ケースにおける年金受給額はどちらがお得かを計算してみます。
①年金を支払う
②付加年金まで支払う
③全額免除申請をする
前提条件として、35歳で退職し、65歳で年金受給開始とします。現時点での年金納付額は383,810円(2年間の前納・クレカ払い)、年間だと191,905円。納付額は毎年見直されますが、簡易化のため今と同額で計算します。
①年金を支払う場合について、35歳から60歳まで納付するとした場合、納付額は
35 * 191,905 = 6,716,675円
かなり吐き気を催すような額になってしまっていますが、これが年金に対する基本的な支払額です。
②付加年金まで支払う場合についてです。付加年金というのは耳慣れない方もいらっしゃるかと思いますが、これは国民年金に対して追加で支払うことで受給額が割り増しされる積み増し分の年金です。
具体的には、毎月400円、年間4,800円支払うことで受給時に納付した付加年金の半額が毎年支払われることになります。投資対象としてはかなり優良で、2年間で元が取れ、4年で倍額が返ってくるという素敵案件となっています。付加年金の額が400円固定かつ複利も効かないので、スケーリングしないことが唯一の弱点ですが、安定した収入源となるのでかなりお得だろうと思います。
こちらのケースにおける納付額は
35* ( 191905 + 4800 ) = 6,884,675円
①のケースと比べて168,000の増額。従って年金は毎年84,000円増加となります。
③全額免除申請をした場合、納付する年金は0円です。素敵ですね。
さらに素晴らしいことに、全額免除申請をしても全額納付した場合の1/2の年金額を受け取れる仕組みとなっております。ただし、全額免除申請ができるのは所得が57万以下(独身の場合)の条件があります。
この制度は完全にぶっ壊れとなっており、投下資本0なのに何故かお金がもらえるというとんでも性能を誇っています。経済用語で言うところのROICが∞、ゲーマー的に言えばナーフ必須のOP、なろう風に言えばチート的存在。
一応念のために注意ですが、未納と免除は全く異なります。未納の場合は年金の受給資格がなくなったり、受給額が減る可能性があります。セミリタイア後収入が下がったらちゃっちゃと免除申請を出してしまいましょう。
さて、この条件で年金受給額を試算してみます。受給額の試算はねんきんネットで行っています。過去の納付額は私の設定になっていますので、人によっては計算結果が違うかもしれませんがご了承ください。
①年金を支払う場合 :毎月 約80,000円 年間 960,000円
②付加年金まで支払う場合:毎月 約87,000円 年間1,044,000円
③全額免除申請した場合 :毎月 約60,000円 年間 720,000円
この条件で年金を受給した場合、どれが一番投資額に対してお得かをあらわすため、受給額と、投資額ー受給額の推移を表にまとめました。
黄色く塗ってあるところがそのタイミングで一番お得な方策となります。20年=85歳まで生きるつもりであれば全額免除申請、25年以上=90歳以上生きるつもりなら付加年金まで払う、というのがリーズナブルな選択となりそうです。
もっと言えば年金を支払う場合には600万以上が出て行くこととなりますが、免除申請した場合にはそれを投資に回せるわけです。
以上のような理由で私個人としては年金は免除申請をする予定でいます。ご参考となれば幸いです。